7.遺言の種類(4)~自筆証書遺言書保管制度~
- 所長
- 2025年6月27日
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更新日:2025年8月27日
(4)自筆証書遺言書保管制度
2020年より、自筆証書遺言を遺言書保管所に預けることができる制度が開始されました(公正証書遺言では遺言書は公証役場に保管されるため、遺言書保管所に預けることはできません)。
この制度を利用することにより、前々回のブログで書いたような自筆証書遺言のデメリットのうち、次のものは心配する必要がなくなります。
・紛失や偽造・破棄のおそれ
・検認の必要
この制度は、自筆証書遺言を作成した後に遺言書を遺言書保管所(保管所は一部の法務局にあります。福岡でいうと、福岡法務局の「本局」か「支局」にあり、「出張所」にはありません。)に預けることができる制度です。
原本自体を預けますので、紛失する恐れもないですし、内容を書き換えられることも破棄されることもありません。そして、偽造されるおそれもないため検認の必要もありません。
しかもこの制度を使っても3,900円しかかかりませんので、費用があまりかからないという自筆証書遺言のメリットが失われることもありません。
しかし、この制度を利用したとしても、内容が有効なものかどうかを保管所の方が判断してくれるわけではありません。つまり、遺言書保管制度を利用したからといって、その遺言書が有効であると判断されるわけではありません。
また、遺言書の形式面でも注意が必要です。
遺言を作成するためには様々な決まり(例えば、自筆証書遺言では財産目録以外は全文自筆、など)を守らなければ無効になってしまうことは以前のブログでも書きました。
これらの決まりに加えて、遺言書保管制度を利用するための独自の決まりがあります。
例えば、遺言書はA4サイズで、余白は〇mm(幅は上下左右で違います)とらないといけない、などです。
つまり、自筆証書遺言は形式面の様々な決まりを守らないといけないために面倒であるというデメリットについては、解消するどころか遺言書保管制度では余計に面倒になるということです。
この決まりをみなさんが知っていれば問題ありませんが、書いた後でその決まりを知った場合は、せっかく苦労して書いた遺言書を書き直すハメになることもあり得ます。
A4サイズしか預けられないので、以前のブログで「私が思い浮かべる遺言書」として例を挙げたような、蛇腹折りされた長い紙に書いた遺言書を保管所に持っていった場合、すぐに「預かれません」と言われてしまいますので、どうしても保管所に預けたい場合は書き直しになります。
