9.法定相続分(1)~法定相続分と法定相続人~
- 所長
- 2025年9月4日
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(1) 法定相続分とは?
被相続人が亡くなった際に、その遺産を「誰がどのくらい受け取るか」については民法に規定があります。これが法定相続分です。
しかし、民法で決められているからといって、必ずその割合に従わないといけないわけではありません。
前回までのブログで書きましたが、遺言書を書いておけばご自身が亡くなった場合の遺産の配分は自由に決められます。A・B・Cの3人の法定相続人のうち、AとBだけに財産を与え、Cには与えないという配分も可能です。
また、亡くなった人が遺言書を書いてなくても、法定相続人同士で遺産分割協議をして法定相続分と違う割合で資産を受け取ることも可能です。
(2) 法定相続人とは?
先ほど、遺言書がある場合や遺産分割協議をした場合には「法定相続分」に従う必要はないと書きました。
しかし、「法定相続人」は自由に決めることができません。
ここで注意しなければならないのは、ここでいう「法定相続人」は「実際に遺産を受け取る人」とは違うということです。
例えば、ある人が亡くなって、子どもが3人いたとします。そして、遺産分割協議で3人のうちAのみがすべての遺産を受け取り、BとCは何も受け取らないということで協議が成立したとします。この事例で「法定相続人」はA・B・Cの3人ですが、「実際に遺産を受け取る人」はAのみです。
つまり、法定相続人は、ある人が亡くなった時点ですでに決まっていて、これを変えることはできません(※)。
例えば、遺産分割協議では、「実際に遺産を受け取る人」だけでなく、「法定相続人」全員が協議に参加しなければ、協議は成立しません。
また、相続税の計算において課税される遺産の総額を計算する際に基礎控除額の算出をしますが、「実際に遺産を受け取る人」の数でなく、「法定相続人」の数によって額が変わってきます。
このように、「法定相続人」と「実際に遺産を受け取る人」は違うのですが、一般的にはどちらのことも「相続人」と言いますし、私自身も区別の必要がない時には両者とも「相続人」と言っています。
そして、具体的に誰が法定相続人となるかは、法定相続分の規定と併せて、次回以降のブログに書いていきます。
(※)相続放棄があった場合、放棄した人は最初から法定相続人ではなかったことになるので、その場合は法定相続人が変動することになります。相続放棄については今後のブログで書きます。
